この日の宿泊は鳴子温泉のホテル亀屋。
前夜の寝不足と昼間の労働、夕飯前後に同部屋の面々と飲んだビールが功を奏して、ぐっすり。
どっち?結局どっちが勝ったの?唐揚げ?餃子?
いつものごとく調子に乗ってたらふくバイキングを平らげた後、石巻に向け出発。
作業ではなく、ボランティアガイドさんの案内で石巻市の被災状況を見学するのだ。
三陸道の石巻インターを降りてしばらく走ると、市街地らしき景色が広がる。
どこにでもある地方都市の光景に驚いた。
「なんと!もうすっかり復興しているじゃないか」
でも違った。復興した街並みに見えたのはかつての郊外エリア。
中心部にあった店舗などが移転して、新しい街並みを作っているに過ぎなかった。
ガイドの遠山さんの案内で見て回った旧市街は、胸に突き刺さる光景ばかり。
缶詰工場のオブジェは横倒しになったまま。
壊れた自動車は道路沿いに延々と積まれたまま。
地盤沈下した道路も沈んだままだ。
一番辛かったのは、「がんばろう!石巻」という大きな立て看板が立てられた元住宅地。
かなり密集した住宅地だったんだろうに、津波で流されて跡形もない。
ところどころに生活の跡が生々しく見えて、それが切ない。
海風を遮るものがない分とても寒い。
ガイドの遠山さんは、視察中、淡々と津波被害のことを話してくれた。
それがなおさら悲しかった。
視察が終わってもしばらくは、バスの脇で我々と話してくれた。
「今日は曇ってるからなあ。天気が良ければもっと明るい街なんだけどね」
「本当は明るい元気な街なんだよ。もっと元気な街を見て欲しいなあ」
としきりに言う。
「訛ってるから、話の半分もわからなかったんじゃないかな」
と何度も繰り返す。「半分」の部分が「20%」になったり「3割」になったり、
比率がコロコロ変わるのが可笑しかった。
大丈夫ですよ遠山さん。貴方の話は伝わりました。
「頑張って今年か来年の社員旅行は、東北に誘致します!」
と無責任な約束をして別れてきた。
お願いしますよ社長、俺を嘘つきにしないでください。
遠山さんと別れたバスは、進路を西へ。
次は観光、行き先は松島だ。

↑鳴子温泉のシンボルは、こけしです。

↑遠山さん。決して上手くはないその喋りが、逆に胸に来る。

↑横倒しになった缶詰のオブジェ

↑累々と積み重なる廃車たち

↑廃墟。海沿いの建物はほとんどこの状態






がんばろう、石巻!